STORY2：祖父の最期と後悔「もし、あの時知っていたら」

プレゼンの失敗。それだけなら、まだ立ち直れたかもしれない。
でも、私にはもう一つ、心の奥底に眠る大きな後悔があった。
それが、私を健康への探求に駆り立てていた。

35年前の冬 / 12月

私が小学4年生の時、大好きだった祖父が癌で亡くなった。

68歳だった。

祖父は、私にとって特別な存在だった。
優しくて、面白くて、いつも私の話を聞いてくれた。

学校であったこと、友達のこと、将来の夢のこと。
祖父と話す時間が、私は大好きだった。

* * *

35年前の夏 / 8月

異変に気づいたのは、夏の終わり頃だった。

当時10歳の私は、その会話を聞いていても、深く考えていなかった。
「ちょっと疲れてるだけだろう」と。

でも、大人たちの表情は、日に日に曇っていった。

* * *

9月 / 検査結果

ある日、学校から帰ると、家に祖父母と両親が揃っていた。

普段は見ない光景だった。
そして、みんなの表情が、とても深刻だった。

後で知ったのだが、検査の結果は厳しいものだった。

当時の私には、「癌」という病気の重さが完全には理解できなかった。
でも、大人たちの深刻な表情から、ただならぬ事態だということは感じ取っていた。

* * *

10月 / 入院生活の始まり

祖父は手術を受けた。
その後、抗がん剤治療が始まった。

毎週末、家族で病院にお見舞いに行った。

最初の頃は、祖父も元気そうだった。

でも、週を追うごとに、祖父の様子は変わっていった。

ある日の病室で、こんな会話があった。

その時、子供心に思った。
「おじいちゃん、本当は怖いんだ」と。

* * *

12月 / 容態急変

入院から4ヶ月後。
深夜、突然の電話が鳴った。

急いで支度をして、家族全員で病院に向かった。
車の中は、誰も何も話さなかった。

病室には、親戚が集まっていた。
みんな、目を赤くしていた。

祖父は、酸素マスクをつけて、ベッドに横たわっていた。
意識は、朦朧としていた。

私は、祖父の手を握った。

そして、明け方。
祖父は、静かに息を引き取った。

68歳だった。

* * *

葬儀の日

棺の中の祖父は、まるで別人のように痩せ細っていた。

生前の面影は、ほとんど残っていなかった。
抗がん剤の副作用で、髪も全て抜けていた。

私は、棺の前で号泣した。

「もっと一緒にいたかった」
「もっと話したかった」
「まだおじいちゃんが必要だった」
「なんで、死んじゃったの…」

10歳の私には、「死」という現実が、あまりにも重すぎた。

* * *

そして、35年後 —— 3年前

私は大人になり、ビジネスの世界で働いていた。

あのプレゼンの失敗の後、私は本気で健康について学び始めた。

様々な論文を読み、専門家の話を聞き、最新の研究を追った。

その中で、ある情報に出会った。

その情報を読んだ時、真っ先に思い出したのが、祖父のことだった。

「もし、あの時…」

もし、25年前にこの情報があったら。
もし、祖父の免疫力を高める方法を知っていたら。
もし、抗がん剤の副作用を軽減する方法があったら。

祖父は、もう少し長生きできたかもしれない。
苦しまずに、治療を続けられたかもしれない。
私と、もっと多くの時間を過ごせたかもしれない。

もちろん、これは万能薬ではない。
癌が必ず治るというものでもない。
医学的な標準治療を否定するものでもない。

でも、選択肢が一つ増えること。
免疫力を高めて、体の治癒力をサポートできること。
副作用を軽減し、QOL（生活の質）を保てる可能性があること。

これらを知っているだけで、希望が持てるのではないか。

変えられない過去。
取り戻せない時間。

でも、今なら、誰かを救えるかもしれない。

* * *

そこから、私の健康への探求が本格的に始まった。

様々な健康法を試した。
サプリメント、運動、睡眠改善、食事療法…

効果はあった。以前よりは体調が良くなった。
でも、「これで絶対に風邪を引かない」という確信は持てなかった。

「もっと根本的な方法があるはずだ」
「免疫力を本質的に高める方法があるはずだ」

そう信じて、探し続けた。

祖父への想い。
プレゼンの失敗。
「もう二度と後悔したくない」という強い決意。

全てが、私をこの出会いへと導いていた。